本部通信 2022年7月
日本での古代の紛争は、食糧の奪い合いから始まったと言われております。特に食糧を保管している場所が狙われる。ちなみに日本各地に「板倉」という地名が多くあるが、その中には農作物保管のための倉庫「板倉」を造ったという伝承があるようです。
この6月は、コロナウイルスの収束とロシア軍のウクライナ侵攻の収束のどちらが早いかが世間の関心事となっております。ロシアとウクライナの両国は、小麦を始めとする食糧輸出大国であり、食糧の奪い合いによる紛争ではないことは確かであります。
ロシアのプーチン大統領は、若い頃スパイ活動に従事しようと思いたった一因に、スパイ・ゾルゲを扱った1961年制作の日仏合同映画に感化されたと言っている。スパイになれば1人で時には1000人の自国民を助けることが出来ると思い至ったらしい。私はこの映画を見ていないが、この映画の女優は岸恵子さんであります。
仏教では、戒律の第一に「不殺生」が説かれていますが、他の宗教では「目には目を、歯には歯を」いわゆる正義の戦いは有用との思いがあるようです。
無量寿経には「国豐民安。兵戈無用。」(真宗聖典78頁)という言葉があります。短く要約すれば、「人々の心が豊かであれば、兵も戈(武器)も必要では無い」と。
現在、世界の国々の指導者を見ると、国民の選挙で選ばれない指導者、不正選挙で選ばれた指導者、特に全体主義の指導者は心が豊かでない人が多いですね。
兵戈無用は、現実的ではないという思いもありますが、その精神は大事だと思います。そして一番大事なのは心豊かに「南無阿弥陀仏」でしょう。
城北地区 福田 正紀